構想計画所『無人=Atopia』トークイベント
芸術論、知覚論を専門とする平倉 圭氏をお迎えし、本展覧会「無人=Atopia」と緩やかに繋がるトークイベントを開催します。
ゲスト:平倉 圭氏(横浜国立大学准教授/芸術理論)
タイトル:「潮間帯の経験論」
参加費:¥500(ワンドリンク付き)
座席数:30※受付申し込みは、開始30分前より先着順。満席の際は立ち見になる場合がございます。
『潮間帯の経験論』 平倉 圭
構想計画所の今回の作品ないしモデルは、岩礁の潮間帯(満潮線と干潮線の間)を思わせる。「無人=Atopia」と題されているが、そこでは「人以外」 の生物は想定されているのだろうか。人以外の生物を導入するとどうなるだろうか。
無人であることは無生物であることではない。岩礁の潮間帯には無数の生物が垂直分布し、時間とともに変動する海/陸の二界をまたぐ複雑な地形に棲みついている。潮間帯において海/陸は対立しない。潮汐のリズムとともに層状に変移する。そこにおいて、生物は時空をどのように「経験」するだろうか。ハゼは干潮時のタイドプールをどのように「経験」するだろうか?マガキは?あらためて、人はどうだろうか。
地形には地形の運動と習慣(自己保存の傾向)があり、生物には生物の運動と習慣があるとすれば、潮間帯では、潮汐・地形・生物の運動と習慣が、全く異なる時空スケールで交錯している。そのような、多重の運動と習慣が重なりあう場所としての潮間帯を思考し、経験することはどのように可能だろうか。試みたい。