EARTH+GALLERYでは、11月21日~12月1日の間、足立篤史個展「Spiral road」を開催いたします。足立篤史は、「記憶を記録する」ことをコンセプトの土台にし、主に紙、活字媒体(新聞など)を素材に、人間が経験した遠い昔の記憶の中にあるモノを今の時代に具現化し制作。岡本太郎現代芸術賞など多くの公募展で入賞し、東京都美術館でのセレクショングループ展「神紙」に作品を出品し作品形態にこだわらず、様々な方法で表現活動を行っています。この度東京都美術館で展示し話題となったインスタレーション作品「炎舞」をEARTH+GALLERYのホワイトキューブ空間での初めての展示となります。
この世に存在するものには、そのモノが存在した時代、歴史、そいて人々の記憶が刻まれていると足立は言います。その刻まれた記憶を当時の記録や資料をもとに形に具現化することにより、そこに存在していただだけの記憶を”記録”として補完することが可能になります。これをARTという、社会的メッセージを必要とする表現手段により形に起こすことが、社会的にも意味があると感じ、また使用する素材もテーマにしている当時に存在した資料、素材を使用することもとても重要な要素として作品を作り上げています。
会期中の11月23日(土)は、アーティストトークに加え、ニュースパーク(日本新聞博物館)の協力を得て、全国の新聞120紙が集まり、まわしよみ新聞ワークショップを開催いたします。デジタル化の急速な進展により大量の情報があふれる今、私たちには、情報を見きわめる力が求められています。その中で、新聞は長い歴史を通じて、確かな情報を届けるために日々努力を重ねてきました。足立篤史の作品から、また現在の新聞から、この記憶を記録として残す体験により情報を見きわめる力とそしてアートを通して社会を考える機会となればと思います。
会期:2024年11月21日(木)~12月1日(日)
時間:13:00~19:00
休廊:月・火・水
作家在廊日:11月21日、23日、24日、29日、12月1日
■Artist talk: 11月23日(土)14:00~(予約不要)
■Workshop: 11月23日(土)15:00~17:00 (要予約・参加費500円)
全国120紙が集まる!!記憶を記録し共有するワークショップ「まわしよみ新聞」
講師:鍋島裕俊(元朝日オリコミ社長室長、メディア戦略アドバイザー)
新聞は「見出しの大きさや幅」「記事の文字量や序列、配列」などによって「社会的なニュース価値」を察知することが可能です。新聞を読むことによって、自分がまったく興味、関心のなかった分野の情報にも触れ、自然と世間を広くすることが可能かも知れない。さらに新聞は「みんなで読む」という「まわしよみ」が可能なメディアです。まわしよんで思ったことを話し合ったり、それを契機にして、多様な意見が聞ける。他者を知るコミュニケーション・ツールになる。これは自己完結してしまいがちなインターネットにはない面白味ではないでしょうか?まわしよみ新聞は、むつさとし氏(観光家/コモンズ・デザイナー/社会実験者)が考案した大阪(應典院生まれ・釜ヶ崎育ち)発信の「メディア遊び」です。今回は、全国120紙が集まり、アーティストの足立篤史も参加し制作への視点を垣間見ることのできる貴重な機会です。ぜひご参加ください!
申込はこちらから→info@earth-plus.com
Statement
「希望とは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」― 魯迅『故郷』―
人類の歴史は、数えきれない「記録」で作られた広大な道であり、過去に生きた人々から今を生きる私たち、そして未来の世代へと時間を越えて続いている。
その一つがDNA。DNAはすべての生命体に刻まれた不変の証として、それぞれの存在を唯一無二のものとして示しています。
もう一つの記録は文字。文字の誕生は、人類の歴史に革命をもたらし、遠く離れた地や時代を超えての対話を可能にしました。
私たちが歩んできた道は、まるでDNAの螺旋のように、過去から現在、そして未来へと途切れることなく続いている。
この「道」の姿を、私は人類が創り出した文字、その誕生によって生まれた印刷媒体を通じて表現します。
「Spiral road.」は、人類が踏みしめてきた道であり、これからも歩んでいくべき道そのものなのです。
足立篤史 Atsushi Adachi
1988年横須賀市生まれ。2014年東京造形大学美術学科彫刻専攻卒業、東京造形大学卒業研究・卒業制作展「ZOKEI賞」受賞。主な展示に、個展「記憶-Kioku- 」(ニューヨーク、2014)、「第18回岡本太郎 現代芸術賞」(川崎、2015)、「都美セレクショングループ展 「紙神」」(東京、2016)、「TAMA VIVANT Ⅱ 2017 -ポガティブ-」(東京、2017)、「Tanagokoro」(ロサンゼルス、2022)、「BankART U35 “REMEMBER”」(横浜、2022)、「第26回岡本太郎 現代芸術賞、「特別賞」受賞」(川崎、2023)、「ブレイク前夜in金沢秋元雄史セレクション」(金沢、2023)、「KAIKA TOKYO AWARD 2024、「山峰潤也賞」 受賞」(東京、2024)等。
Born 1988 in Yokosuka, Japan, he graduated from Tokyo Zokei University in 2014 with a BFA in Sculpture and received the “ZOKEI Prize” at the Tokyo Zokei University Graduation Research and Graduation Works Exhibition. Major exhibitions include: solo exhibition “Memory-Kioku-” (New York, 2014); “18th Taro Okamoto Award for Contemporary Art” (Kawasaki, 2015); “Miyako Bijutsu Selection Group Exhibition ‘Paper God’” (Tokyo, 2016); “TAMA VIVANT II 2017 - Pogative-” (Tokyo, 2017); ” Tanagokoro“ (Los Angeles, 2022), ‘BankART U35 ’REMEMBER” (Yokohama, 2022), “26th Taro Okamoto Award for Contemporary Art, ‘Special Prize’ (Kawasaki, 2023), ”Night before the Break in Kanazawa Akimoto Yushi Selection” (Kanazawa, 2023), ‘Kaika Tokyo Award 2024, Junya Yamamine Prize’ (Tokyo, 2024), etc.