〈参加アーティスト〉
展覧アンデパンダン 西尾裕馬 / 田村雪子 / 荻達魚 /
カツノユキコ / 東来正也 / 大塚貴士 / 石川慎平 / 斎藤東児 /宮野玄妙 / 三浦かおり/ 石毛春菜 / 下井雄也 / 石崎立登 / 三嘴彩菜 / 長島亜希子 / 則竹貴子
上演アンデパンダン ぶらっくさむらい (ギター漫談)/
山田みぞれ(朗読 ) / おかの まな (ダンス) / MAQ (音楽) / ミカーナ(Vio&Va) / 村田訓吉 ほか (順不同)
- 立 ち 直 る 世 界 の 中 の ア ー テ ィ ス ト・イ ニ シ ア テ ィ ブ
年月を重ね、今や「二十一世紀初頭」とも言い難い二〇十四年になり、世界はようやく一九二九年の大恐慌以来の未曽有の経済危機から立ち直って きた様子である。この間、東日本大震災や原子力発電所事故、日本の長期デフレーションの中で、初めて日本にも、アンデパンダン展をはじめ、自主 運営スペースやアーティスト・ギルド、アート塾など様々なアーティスト・イニシアティブ(自主活動)が根付き始めたように思われる。アーティ ストによる自主活動が当たり前のように行われ、この様な檄文自体が必要なくなる時代も近い、というのは楽観に過ぎるだろうか。
こうした自主活動は、現代社会の原型をなす産業革命に伴う市民社会と市民富裕層の成立を背景とするものである。今でいうアーティストは、 近世までは、氏族内での相伝や工房制作を通じた徒弟への技術伝授で育まれてきたが、近代社会になると、それまでの壁画や据え付け型の公共彫 刻に代わって、市民富裕層からのポータブルな絵画や彫刻・オブジェの需要が高まり、ニーズを満たすため美術学校等が設立され、アーティストの 卵が排出されるようになった。作家として認められるためには展示の機会が不可欠なので「卒業展」が始められ、卒業後も自ら展示の機会を設ける 活動が考案されたのである。
近年盛行している「自主参加展」は、出展審査が保守的なサロンから締め出されてしまったジョルジュ・スーラ、ポール・シニャックらが、一八八四年に考案した、出展料さえ支払えば誰でも出展できる「salon des artistes independants」という展覧会形式を、名称や開催方式を若干変更して、 現代に活かしたものである。継続開催されている関東地方のアンデパンダン展を名乗る展示だけでみても、日本、武蔵野、八王子、横浜開港、東京、 多摩、3331、日本橋ほか多数に上り、一九四六年に始まった日本のアンデパンダン展は今や二度目の盛行期を迎えつつある。
もとより、アンデパンダン精神の根幹をなす「自主独立」は、権力にも商業主義にも妨げられない「真の表現の自由」を確保するための条件であり、 未来に開かれた可能性をもたらすものである。例えば、ニコニコ動画もYOUTUBEもUSTREAMも、同様の原理に基づく自主投稿の仕組みである。モ バイル端末とインターネットにより実現したユビキタス(いつでも、どこでも、だれでも)社会、有体物よりも液晶画面の中にリアリティを紡ぎだす現代世界の中でも、アンデパンダンなるものは、その自由度により如何様にも展開できよう。
このような社会状況において、世界が進んでいくであろう未来を見据えながら、アンデパンダン展を開催していく意義は高いものと思料し、引き続き全国の同志とともに組織していくものである。
二十一世紀初頭のアンデパンダン展発起人 深瀬鋭一郎
第5回東京アンデパンダン展は4つの部門で開催いたします。
‖ 展覧アンデパンダン(展覧会)
‖ 入札アンデパンダン(人気投票+販売)
‖ 説明アンデパンダン(出品作家による作品説明会)
‖ 上演アンデパンダン(パフォーマンス上演)
■「入札」アンデパンダンとは
本当の人気とは何でしょうか。「真の人気」とは「身銭を切っても入手したい」という人がどのくらい現れるかによって測られるものではないでしょうか。観客の方々には「身銭を切っても入手したい」出品作品に1円以上の任意の値段をつけて入札して頂きます。観客1人が何作品に入札しても結構です。その価格で作家が販売してくれるかどうかは分かりませんが、各作品への最高額を入札した方には、作家がその価格に納得した場合、実際に販売してくれる可能性があります。作家が「価格交渉次第で販売してもよい」と考えた場合には、東京アンデパンダン展実行委員会が入札者との間で交渉を斡旋します。「身銭を切っても入手したい」という人が最も多く現れた作品の作家が個展開催の権利を手にします。
■「説明」アンデパンダンとは
プレゼンテーション•カフェなど、アートも含む様々な業種•分野で、参加者が自主的にプレゼンテーションする催しが方々で行われています。プロ•アマチュアの区別なく制作にかけた思い、伝えたい思い、これらは出展者が共通に持つ物でしょう。
10月4日15:00から、1人10分ずつその思いのたけを出展者が語ります。
■「上演」アンデパンダンとは
歴史上有名な「読売アンデパンダン」では風倉匠が自らを展示物として「事物」という展示を行いました。パフォーマンスの出展です。これは物議をかもしました。果たして、アンデパンダン展において、展示物は絵画や彫刻であるとはいったい誰が決めたのでしょうか。上演は展示ではないのでしょうか。絵画や彫刻の作家だけでなく、パフォーミング•アートのアーティストたちもまた発表の場を求めています。「東京アンデパンダン展」は、こうした上演者に自主参加上演の機会を提供します。10月4日のオープニング•パーティーではパーティー参加者の前で自主上演することができます。
制限時間は1名20分。これから演者として立ち上がっていきたいエマージング•アーティストも歓迎です。
/// 各部門スケジュール ///
◉展覧会、会期中の開催
展覧アンデパンダン
入札アンデパンダン
(上位者の発表は展覧会終了後、HP上にて公開します)
◉10月4日(土) 開催
説明アンデパンダン 15:00〜
オープニングパーティー 17:00〜
上演アンデパンダン 17:30〜
(ご参加無料)
※第1回〜3回の開催会場であったgallery COEXISTは、2012年にgallery COEXSIT-TOKYO/EARTH+GALLERYとして木場にリニューアルオープン致しました。東京アンデパンダン展は、2013年以降も引き続き、EARTH+GALLERYを会場に開催しております。
東京アンデパンダン展実行委員会
▽上記展覧会に関するお問い合わせ
EARTH+GALLERY(アースプラスギャラリー)
〒135-0042 東京都江東区木場3−18−17 1F
Tel/Fax 03-5809-9949
mail: info@earth-plus.net