この度、EARTH+GALLERYでは、埼玉県入間郡越生町を拠点に創作活動を続ける美術家 秋山秀馬(あきやましゅうま)の個展を開催する運びとなりました。具象彫刻を学んだ秋山は、19歳の時にハンス・リヒター著「Dada 芸術と反芸術」(針生一郎訳)を読み、深い感銘を受け、自身の美術に対するパラダイムの変換を認識することになった、と言います。また、シュール・レアリスムにも衝撃を受け、加えて、先住民の文化や原始美術に強い興味を持つ秋山は、具象彫刻は“人間賛美”であるとし、1974年以降、東京都美術館、真木画廊等の主要な美術館と画廊で抽象作品を発表してきました。
「それぞれの美術の機能が、客観的に人々の自然観、世界観の創造を拡大し、また外界の状況を体感できると信じている。人々は人間の五感を通して美術を認識することで、自然観と精神世界を融和する。」と話す秋山は、近年では、イギリスのウィンダミアや気仙沼にてインスタレーションを行い精力的に創作、発表を続けています。また、秋山は、美術界が社会に果たす役割の方法を変換する必要があると考え、東京郊外に独自の野外スタジオを開設しました。それは全ての人々が容易に活用でき、自然の環境と美術作品の関連において体感することができる場であり、彼の創作活動の一つとして重要な意味をもちます。
本展では、「引き潮と共に漂流するもの」というキャッチコピーをもとに、2013年より行ってきたインスタレーション作品を中心に展示、販売いたします。また、5月3日(火・祝)展示関連企画として、埼玉県立近代美術館エデュケーターであり金工家でもある、矢花俊樹氏をお招きし、作品鑑賞とともに実際に自然物を用いたインスタレーションを体験できるワークショップを開催いたします。この機会に、是非ご高覧、ご参加下さい。
【展示関連ワークショップ】
5月3日(火・祝)14:00-17:00「ならべて、つんで、アートしよう!」(講師:矢花俊樹)
引き潮と共に漂流するもの Drifting in with low tide
私は2013年から、震災後の封鎖された気仙沼の海岸、また福岡の相島海岸、そして英国のナショナルトラストに管理された自然の中でインスタレーションを行ってきた。私は玉石、倒木、流木等の素材を用いて作品を制作した。そして私は自然、資源の復権を提唱した。
私の造形物は常に自然と共にある。それらは北極点を指し示し、広大な円弧を描く。これらの表現は古代より生活の指針、祈りの指標とされてきた。
今回、私は相島の海岸でのインスタレーションを再現した。私のコンセプトは、タウンスケープのギャラリーにおいて、人為的に痕跡を印すことである。
最後に、私は自然と人間との融和、また感応の領域においてプリミティブな形象の発見を願う。
ー秋山秀馬ー
秋 山 秀 馬 SHUMA AKIYAMA
1954 埼玉県に生まれる。
1998 上越教育大学大学院 修士課程芸術コース美術修了活動歴
2015~16 国際野外の表現展/「東京電機大学 鳩山キャンパス」
2015,6 九州の相島海岸にて玉石、流木を使ったインスタレーションを制作。
回顧展「カリスマの木彊」開催/「東京:Gallery Q」
2015,9 個展「Drifting」開催/「東京:Bunkamura Gallery」
2014 茨城・真壁にて、モニュメント等を制作しSTUDIOに展示。
2014,11 SHUMA STUDIOをオープンする。
常設展「Cloudiness」開催/「SHUMA STUDIO」
2013 東日本大震災被災地、気仙沼海岸にて流木、石を使ったインスタレーションを制作。
英国のウィンダミア湖畔、エヂンバラ海岸、南部海岸にてインスタレーションを制作。
2009 評論家 針生一郎氏がスタジィオを来訪し、推奨文を寄稿する。
2009 「STUDIO-LANDSCAPE」展示のための作品を制作。
2008 「STUDIO」建築 第2期工事竣工
2005 「STUDIO」建築 第1期工事着工
2001~ 「STUDIO-LANDSCAPE」設計プロジェクトを開始。
1995~ シリーズのためのエスキース制作
1989~ 実材のマケット制作
1988 AJAC展 彫刻部招待出品/「東京都美術館」
JAALA展 彫刻部出品/「東京都美術館」
1987 AJACスペイン大賞展招聘出品 エスパーニャ賞受賞/「マドリッド:ソルネグロ画廊」
・現地で木材、和紙、玉石でインスタレーションを発表。
・スペイン国営TVニュースに展覧会及び作品が紹介される。
1986 AJAC展 彫刻部招待出品 特別陳列作家賞受賞/「東京都美術館」
・ワンフロアーで木材と玉石のインスタレーションを発表。
JAALA展 彫刻部出品/「東京都美術館」
1985 AJAC展(All Japan Artist’ s Co-operative) 彫刻部招待出品/「東京都美術館」
JAALA展(Japan Afro-Asian Latin American Artist Association)彫刻部出品/「東京都美術館」
1984 個展開催 状況展 「視思覚の表裏 Part 4」/「サンフランシスコ:バンナムプレース」
・現地でレディーメードを含め、インスタレーションを発表。
・現地のフジTV「クローズアップ」に出演、個展を紹介される。
また、イグザミナー新聞に掲載される。
1983 個展開催 状況展 「視思覚の表裏 Part 3」/「東京:ルナミ画廊」
フィナール詩展招待出品/「東京:フィナール画廊」
1982 個展開催 状況展 「視思覚の表裏 Part 2」/「東京:ルナミ画廊」
フィナール詩展招待出品/「東京:フィナール画廊」
1981 個展開催 状況展 「視思覚の表裏 Part 1」/「東京:ルナミ画廊」
フィナール詩展入選/「東京:フィナール画廊」
・詩壇「歴程」の詩人と交流する。
1977 第13回 亜細亜現代美術展 彫刻部入選 会友推挙/「東京都美術館」
1976 第12回 亜細亜現代美術展 彫刻部入選 新人賞受賞/「東京都美術館」
1975 第30回 行動美術展 彫刻部入選/「東京都美術館」
1974 第29回 行動美術展 彫刻部入選/「東京都美術館」
1973 「Dada 芸術と反芸術」ハンス・リヒター著、針生一郎訳に感銘を受ける。
SHUMA STUDIO
住所:埼玉県入間郡越生町小杉357 TEL:049-292-3075
http://shumastudio.jp/