EARTH + GALLERYでは、2025年4月17日よりアートと実会社との間を行き来する日常における違和感、余韻、気配、痕跡などをモチーフに制作する三浦かおりの個展を開催いたします。2014年の第5回 東京アンデパンダン展とその受賞展、2022年の10周年記念展に続き、EARTH + GALLERYでは、待望の初の個展開催となります。
三浦は、アーティスト活動だけではなく企業の中でいち社会人として日々を過ごす中で沸々と胸に涌いてくることを抱え、起因となっている社会的背景からその正体を探ってゆきます。
今回は、「float」をテーマに、メインの展示作品となるインスタレーションは、メタ認知と認知バイアスや認証バイアスをモチーフに、物事の見方におけるバランスを私たちに問いかけます。ぜひこの機会にご高覧いただけますと幸いです。
会期:2025年4月17日(木)~4月27日(日)
時間:13:00~19:00
休廊:月・火・水
Reception:2025年4月18日(金)18:00~21:00(招待制)
Concept:
昨今、情報がありすぎてどれを取捨選択したら良いのか分からない。ネット検索を頼るが、これがまた厄介でもある。パーソナライズされていて興味のありそうなものや検索したワードに関連がありそうなものを勝手に見せてくるのだから、知識が偏って物事をバランス良く判断していくことを難しくさせる。
そのような状況でも、どうにか思い込みではなく考えを中庸なところに落ち着かせたいと思う。
常に物事はいくつもの要素が絡み合って成り立っているので、1つの要素だけでは判断できないもの。その対になる要素が必ず必要になる。いろいろな要素の重量はそれぞれ異なるので、どこか偏りはありつつも意識的に調整しようとする。その葛藤や駆け引きがどのような具合に落ち着くのが良いのだろうか。
Statement:
私たちは、いつもスマホを持ち歩いていて、必要以上の情報を目にしている。情報は、多ければ良いというわけではなくて、目的のものや必要なものを見つけられないし、探しているはずが寄り道をしてしまう。この探し物をしている間に、注意力も集中力も、そして時間も絡め取られていく。
ネットワーク上に注意を引き止めておこうとする側、さっさと通り過ぎたい側。多くのことを短い時間に処理しようと咄嗟に判断することの繰り返しで、いくらでも溢れてくる情報に翻弄されてしまうのに、このデバイスを手放なすことができない。
意図が込められた情報は空気のように漂っていて、視界に入れさえすれば、人の潜在意識へ働きかけることができてしまう。私たちの意識は、必要な情報よりも個人の感覚に近い情報に引き寄せられて物事を見るようになり、“今ここ”をはなれてしまう。
パーソナライズされた情報を見せられて誘導されそうになる状況は、なかなか止めようがない。意図的に情報を操る誰かは、人が影響を受け、時間とエネルギーを向けてくれるたびに、どこかでほくそ笑んでいるのだろう。
この流れに身を任せてしまうと、私たちの手の隙間から本当に必要なものがこぼれてく気がしてならない。
三浦かおり Kaori Miura
京都造形芸術大学卒業(現 京都芸術大学)。2012年から横浜を拠点に活動。個展、グループ展多数。アートと実会社との間を行き来する日常における違和感、余韻、気配、痕跡などをモチーフに制作しています。
個展
2025 float(EARTH+GALLERY/ヒルトン東京, 東京)
2024 識閾(obi gallery, 神奈川)
2022 ならされたところの凸凹(Gallery Camellia, 東京)
2021 しつこい幻(Gallery Hasu no hana, 東京)
2017 フツフツのそれが消えるまで(Gallery Hasu no hana, 東京)
2016 白い堆積(Gallery Camellia, 東京)
2016 いしきのそとのダンペン(HAGISO, 東京)
2015 unknown time(Gallery Camellia, 東京)
2013 記憶の果て(Gallery Hasu no hana, 東京)
主なグループ展
2023 宇宙時間(代官山TSUTAYA Anjin Café, 東京)
2023 越えられない循環(obi gallery 神奈川)
2022 EARTH+GALLERY 10周年記念展 10th-COEXIST共存のかたち。(EARTH + Gallery, 東京)
2022 つくばアートサイクルプロジェクト アントロポセン-分岐点を超えた景色-(石蔵SHITEN, 茨城)
2021 食と現代美術vol.8「アートと食と街」(BankART Station+KAIKO、神奈川)
2020 都築アートプロジェクト「土地の記憶とアート」(山下地域交流センター, 神奈川)
2020 10th Anniversary Exhibition「ゆたかなイばしょ」似て非WORKS(似て非末吉, 神奈川)
2020 矢中の杜展覧会(茨城)
2019 心ある機械たち again(BankART Station+SILK, 神奈川)
2016 Japan im Palazzo(Kunsthalle Palazzo Liestal,スイス)
2016 いわきまちなかアートフェスティバル玄玄天(福島)
2015 中之条ビエンナーレ(群馬)
2013 中之条ビエンナーレ(群馬)
2004 京都造形芸術大学卒業制作展(京都)コース賞 ほか。
【同時開催】Hilton Tokyo Chocolate Lounge Art Exhibition
ヒルトン東京ロビーフロアにて三浦かおり個展「float」を2025 年3月1日~4月30日まで同時開催しております。こちらも併せてご高覧いただけますと幸いです。
会場:ヒルトン東京Chocolate Lounge(東京都新宿区西新宿6丁目6−2)
会期: 2025年3月1日~2025年4月30日
時間: 9:00 - 19:00
展示作品はONLINE SHOPよりご購入いただけます。ぜひお立ちよりください。