この度、EARTH+GALLERY にて現代アーティスト上根拓馬(かみねたくま)の展覧会を開催する運びとりました。
関西出身の上根の制作は、幼少期に頻繁に訪れた寺で出会った多くの仏像たちが纏うただならぬ存在感に強い畏怖の念を感じた記憶、また同時期の SF 映画や、アニメ、ガンダムに代表するジャポニズム的ロボット表現などのサイエンスフィクションに見るサブカルチャーに魅了され、その製作者たちがが生み出した未来的造形表現に衝撃に 似た感動を覚えたことが根幹にあります。
上根はもともと絵画専攻であったものの、フィギュアという形式に変容させな がら、作品の細部までコンセプトに忠実に再現を試み立体作品群を制作し続けてきました。その探究心は、今や幼き日に仏像の佇まいや、サブカルチャーの作り 手の思考から感じとった『畏怖と畏敬の念』をダイレクトに表現するための重要な要素の一つとなり、提示される作品群は、親しみのある「フィギュア」という 存在でありながら観るものの前に仏像の如く静謐を湛え鎮座します。
土着の神々や仏教など、宇宙を構成する様々なものに祈りを捧げてきた太古の 日本...
SF 映画やアニメ、ジャポニズム的ロボット表現などのサブカルチャーに羨望 を向ける現代日本...
双方が混ざり合わさることで生み出される、リアルな日本なるものという概念 をガーディアン (Guardian) というフィギュアをフォーマットとした表現手段を 中心に提示し続けてきた上根は、さらに神話・物語性を加え、近年は神獣・瑞獣 等へと表現を派生しています。
「人生において、過去から未来に向けて蓄積され続けてゆく様々な思考や精神性を内包するための聖櫃・匣とし ての役割を担っていくのかもしれない。」と語る上根。それは、幼き氏が感じとった、人間が作り出す造形の奥深さ、 作り手たちの表現の追求、創造物への未知の可能性と憧憬から始まった造形表現への挑戦ともいえます。
本展では、近作と新作を、エレメントという言葉の括りにより再構成していきます。
光のエレメント表現として Marici( 摩利支天をコンセプトとしたインスタレーション ) 炎のエレメント表現として Circle of Homura( 四天王と焔のテクスチャの立体作品 ) 水のエレメント表現として Guardians Celestial beast,Airavata( 龍王をコンセプトとした立体作品 ) 重力のエレメント表現として The Guardian Head of Gravity( 等身大の頭の立体作品 )
4 種類のエレメントの意味性を隠喩的に内包した作品群が空間を満たしていきます。
この機会に是非ご高覧いただくと共に上根拓馬の造形作品を通し、エレメントとしての意味性と神仏としての 意味性、作品を様々な観点から視ることにより世界に満ち満ちているものを感じて頂ければ幸いです。
上根 拓馬 Takuma Kamine
1978 年 大阪府生まれ
2002 年 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業
個展
2011 年「12 Guardian - M 」GALERIE SOL , 東京
2013 年「新世代への視点 2013」GALERIE SOL , 東京
「カラーチャートによる煩悩の開示・108 guardian Golden DAIDARA」メタル・アート・ミュージアム 光の谷 , 千葉 2014 年「上根拓馬展 33G → 28Guardians Logical Thinking Material」アートン アートギャラリー , 京都
2015 年「上根拓馬展 焔 ...HOMURA 」EARTH+GALLERY, 東京
2016 年「上根拓馬展 Hole dimension 8Guardians + α」アートン アートギャラリー , 京都
2017 年「上根拓馬展 Apsaras in flight 」EARTH+GALLERY, 東京
「上根拓馬展 21 世紀、高天原のゆくえ 」Bunkamura Box Gallery, 東京
「上根拓馬展 Apsaras in flight 」Art Fair TOKYO 2017/Gallery 香染美術 , 東京
2018 年「Japonica Buddha」The Hive Art Gallery and Studios,Los Angeles
「上根拓馬展 Sahasrabhuja R.K ∞/1000」アートンアートギャラリー , 京都
2019 年「Takuma Kamine - MYO-O IN THE SHELL - 」The Japan Foundation LA/ 国際交流基金 LA
主なグループ展
2010 年「東京コンテンポラリーアートフェア +PLUS Tokyo Contemporary Art Fair2010」東京美術倶楽部 , 東京 2011 年「I 氏 Y 氏コレクション展」阿久津画廊 , 群馬
2012 年「NEW CITY ART FAIR, Taipei」gallery COEXIST-TOKYO/EARTH+GALLERY, 台北
2016 年「See Visions 展」アートン アートギャラリー , 京都
2017 年「Kyoto Art for Tomorrow- 京都府新鋭選抜展 2017」京都文化博物館 , 京都
2018 年「Shanghai, In the rain」Sune art gallery, 上海
「新鋭作家セレクション展 」シルクランド画廊 , 東京
「神戸アートマルシェ 2018」神戸メリケンパークオリエンタルホテル 13F, 神戸
2019 年「ART FAIR PHILIPPINES 2019」秋華洞ギャラリー , マニラ
「Citizen Art Shanghai Art Fair」Sune art gallery, 上海
「VOLTA BASEL 2019」秋華洞ギャラリー , バーゼル
「recommend - 2019 - 」シルクランド画廊 , 東京
2020 年「ONE ART Taipei 2020」秋華洞ギャラリー , 台北
「ART FAIR PHILIPPINES 2020」秋華洞ギャラリー , マニラ
「奇想・快想 KISO・KAISO」秋華洞ギャラリー , 東京
「recommend - 2020 - 」シルクランド画廊 , 東京
「キリンの首 - 首を長くして待つ -」Sune art gallery, 東京
「つくば北条アートプロジェクト 2020pilot 版 矢中の杜」矢中の杜 , つくば
2021 年「むかしむかし、あるところに」秋華洞ギャラリー , 東京
「7 人の眼 -In the near future」Bunkamura Gallery, 東京
2022 年「TACP( つくばアートサイクルプロジェクト )」つくば 「ものがたりの予感」群馬県立館林美術館 , 群馬
「art stage OSAKA 2022」Sune art gallery, 大阪
「D-art,ART 2022」FAT Collection, 大阪
コレクション
LACMA ( ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム ) 富岡市立美術博物館 群馬県立館林美術館