下野友嗣個展 「痕跡を一つずつ確認するように重ねると、やがてそれは愛になる。」

会期:2023 /4 /1(土) ~ 4 /16(日) ※木金土日OPEN

時間:12:00 ~ 18:00(最終日17 時まで)

アーティストトーク:4月2日(日) 15:00〜(ゲスト:ユミソン)

UP

この度、EARTH+GALLERY は、現代美術家 下野友嗣 ( しものゆうじ ) 個展 「痕跡を一つずつ確認するように重ねると、やがてそれは愛になる。」を開催する運びとなりました。鉄錆を主な素材とする下野友嗣は、諸説ある生命の起源について「鉄を 食べるバクテリアの種類が地球上の全生物の祖先」という説を信じて表現を試みます。数々の賞受賞や芸術祭に招聘されてきましたが東京では初個展となります。

 

会期:2023 年4月 1日(土) ~ 4 月16日(日) ※木金土日OPEN

時間:12:00 ~ 18:00(最終日は17 時まで)

入場:無料

主催 :EARTH+GALLERY

企 画:山中周子(gallery neo_ 主宰)

作家在廊日:土日

 

【アーティストトーク】

4月2日(日) 15:00〜 (参加費¥1000 1drink・先着50名 プレゼント付)

ゲスト:ユミソン
福島の芸術祭の総合ディレクター、北アイルランド展のコキュレーターとして下野さんを 招聘したユミソンさんと作品の遍歴についてトークをします。

 

下野は錆を内部(内的世界)と外部(外的世界)の接続部分であり、内的世界が外部に現れる様、その痕跡と捉えます。 それは、彼自身の子供時代の遊びの中に見出され、また 19 年前の阪神淡路大震災の被災体験、そして大学時代、病床の母への回復を祈り開催した初個展とその制作に遡ります。「病気がどんどん進行していき、衰えていく母親をみて、死を身近に感じました。 同時に助けたいと思い物理的には、無理とわかっていながらもいい作品を作ると助かるように感じて、熊の作品を作り続けました。 熊 ( シャーマン ) が助けてくれるような気がして。」 しかし、母が他界した後それは作家にとって虚ろな像となったと言います。その後は鉄錆の美しさを主体にし、他の素材と組み合 わせた鉄錆独特の現れ、還元などの化学変化を応用し表現を試みました。そう して熊をはじめとする生き物のモチーフは、作家にとって願いの象徴から、自身の祈りの痕跡へと変遷していきます。

一方で、下野は、イギリスの進化生物学者リチャード・ドーキンス著『The Selfish Gene(邦題『利己的な遺伝子』1976 )にインスパイアされます。 ある人間の肉体は遺伝子が生き残るための器であり、人間の意志ではなく遺伝 子によって動かされているという内容に注目します。そして、さらにはその利己的な自己複製子である遺伝子が延長された表現形態として、カタツムリの殻や、蟻や蜂の統率された生活があり、人間にとっての遺伝子の発達した表現形態は宗教やお金、国や人 間社会などの虚構ではないか、というものです。自己複製子が、延長された表現形態(=「ミーモ」)は、科学的仮説であり実証されたものではないのですが、遺伝子が発達した表現形 態(=「ミーモ」)は、科学的仮説であり実証されたものではないのですが、作家は、人間の「ミーモ」は目に見えない感情や感動、愛をも内包しながら進化の途上にあるのではないかと考えます。

本展のために、これまでの技法や自身を回顧しながら新たに制作されました。 版画のような技法を用いるのは、「この世界がパラレルワールドと想定するなら、色々な “私” がいる」という作家独自の視点により、鉄錆でできた自身の 分身として苗を植えるように生き物の版画を、愛につながるミーモに願いを込めて画面上に残します。それらの作品は、作家自身の内面を映す鏡でありながら、生命の根源、生と 死、破壊と再生の象徴として私たちの前に現れます。 この機会に現代美術家、下野友嗣の世界をぜひご高覧いただければ幸いです。

 

 

下野友嗣 Yuji Shimono

1984 年 兵庫県生まれ
2007 年 大阪芸術大学 美術学科卒業

個展

2010.7 gallery AO(兵庫 神戸) 2011.4 泉地靖雄美術館アーティスツハウス(岡山) 『あいさつをするくま』 2011.4 Art space gallery MARU(韓国 昌原)
2011.7 gallery 301(兵庫 神戸) 『さびから生える』
2012.2 gallery 301(兵庫 神戸) 『鉄の惑星』
2012.9 gallery からひね(京都 出町柳) 『Incision』
2013.4 gallery 301(兵庫 神戸) 『熊人間の里』
2012.11 spectrum gallery(大阪)『風花』
2014.7 gallery 301(兵庫 神戸) 『黄金の色』
2015.7 gallery 301(兵庫 神戸) 『空が白むまで』
2016.7 gallery 301(兵庫 神戸) 『かんげんする 2017.7 LINLOW(大阪)『かがやく鉄ねむる鉄』
2020.7 gallery 301(兵庫 神戸) 『空白の器 ひかりかがやく』
2020.12 千葉市文化センター 5 階市民サロン(千葉) 『空白の器 ひかりかがやくとき』

「精霊の声」 パネル,水彩用紙,大理石の粉末,墨,鉄錆,顔料インク,岩料,拾ってきた鉄板,銅線 1455×2273mm 2014年 神戸二葉学舎 寄贈

グループ展
2022.12 芝田町画廊 吉田杯
2022.11 学園前アートフェスタ ( 奈良 生駒 ) 2022.3 つくばの街と山を繋ぐ芸術祭 アントロポセン~分岐点から見る景色~( 茨木 筑波 ) 2021.11 下町芸術祭 ( 兵庫 神戸 )
2020.11 学園前アートフェスタ選考展(奈良 生駒)
2019.2 『YAM 2019 -R&P exhibition presents-』(サコダアートギャラリー 兵庫 芦屋) 2019.1 富士山展 2.0- ザ・ジャイアントリーブ -(gallery MoMo Projects 東京 六本木) 2018.11 龍野アートプロジェクト2018混成軌道
アート de 元気ネットワークひょうごコラボレーション展(兵庫 龍野) 2018.9 オル★テラ 3- 六本木縁日 妙善寺(東京 六本木) 2018.7 「SeeKeR」(gekilin.gallery 大阪)
2018.2 『YAM 2018 -R&P exhibition presents-』(サコダアートギャラリー 兵庫 芦屋) 2018.1 2016 gallery301 exhibition(兵庫 神戸)
2017.9 中之条ビエンナーレ(群馬 中之条) 2017.2 飛鳥アートヴィレッジ「明日香の匠」展(奈良 明日香万葉文化館)
2016.10 下町アセンブリー(兵庫 神戸 ものほしざおギャラリー)
2016.10 第六回 天祭一〇八(東京 増上寺)
2016.9 C.A.P.(芸術と計画会議)KOBE STUDIO Y3(秋の収穫祭)(兵庫 神戸) 2016.9 丹波篠山アートフェスティバル 2016(兵庫 丹波)
2016.5 大阪御堂筋アート 2016(大阪)
以前省略

アーティスト・イン・レジデンス
2022.6 6 月上旬から下旬までつくばで勝手にレジデンス ( クラウドファンディングを行いました。) /茨城 2016.7 C.A.P.(芸術と計画会議)KOBE STUDIO Y3 2 ヶ月制作(兵庫 神戸)
2014.11 するがのくに芸術祭 富士の山ビエンナーレ(静岡 由比) 2014.3 飛鳥アートヴィレッジ アーティスト・イン・レジデンス(奈良 明日香万葉文化館)
2010.12 Project Asia Art Program 2010 Residency Program(韓国 昌原)
以前省略

受賞
2020.11 神戸市長田文化賞 奨励賞(兵庫 神戸)
2020.1 千葉市芸術文化新人賞 奨励賞(千葉)
2016.1 『天国と地獄』天国賞 芝田町画廊(大阪)
2014.7 古湯温泉ONCRI 第 3 回床の間アートコンペ 優秀賞(一年間 古湯温泉ONCRI展示 佐賀 古 湯温泉)

所蔵
2020.11 神戸二葉学舎(兵庫 神戸) 2020.11 神戸長田区役所(兵庫 神戸)

アートフェア
2017.9 KOBE ART MARCHE(兵庫 神戸 メリケンパークオリエンタルホテル) 2017.7 ART FORMOSA(台湾 台北)
2016.9 KOBE ART MARCHE(兵庫 神戸 メリケンパークオリエンタルホテル)

「cognitive revolution」4/9 2023 04 550×760 mm 水彩用紙 鉄錆 アクリル 2023

 

2011年 あいさつをする熊 950×650 美濃紙 大理石の粉末 和紙 墨 鉄錆

 

2014年 精霊の声 1455×2273
パネル 水彩用紙 大理石の粉末 墨 鉄錆 顔料インク 岩料 拾ってきた鉄板 銅線
神戸二葉学舎 寄贈