このたび、EARTH+GALLERY(アースプラスギャラリー) では、M 画廊(栃木県足利市)にご協力いただき、共同企 画として、「没後 10 周年 和田賢一 遺作展IV」を開催す る運びとなりました。 生前、現代画家として国内外で活躍していた和田賢一氏 は、1956 年被爆二世として広島に生まれました。1980 年 東京芸術大学美術学部芸術学科卒業後、イタリアへ留学。 古典絵画技法、修復技法を修得し、帰国後は修復を生業と しながら生涯のテーマとなる “光” の表現を追求します。 氏の光の表現は、「色彩を光として用いることで絵画の 平面性を打ち破ろうとした絵画」(和田賢一作品集)である と同時に、1945 年当時 14 歳であった氏の母親が見たであ ろう原爆の閃光なのです。絵筆を用いず、スプレーガンや たらしこみ技法によって制作されたそれらの “光” は、あ る時は蛍光色やメタリックな色彩に画面が発光するような 狂気的な光を放ち観るものを圧倒する神々しさを表出させ、 またある時は、仄暗い闇の中で静かに漂う魂のともし火の ように表現されます。
本展では、氏が遺した “光” をテーマに、200 号を超える作品とともに、未発表を含む 25 点を展示販売いたします。 10 年前の 2008 年、享年 51 歳という若さで突如としてこの世を去ってしまった氏が表現した “光” をこの機会 に是非ご高覧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。