「マンガモーメント」と称して日常に潜むマンガ的瞬間を切り取り、俳句的に物語を紡いでゆく。そんな行為を続けているうちに、あれだけ意識していたマンガ的瞬間と、そうでない、単なる日常の瞬間との違いが、ほとんど見て取れない状況です。つまりこれは自然な流れとして「俳句モーメント」に来たという事なのでしょうか。
俳句はその瞬間を切り取り、わたしも瞬間を逃さず切り取ります。但し都合の良いよう頭の中で切り取るので、その時、本当にカワズが池に飛び込んだか、そうでないかは問題ではない。彼も、わたしも自由なのです。そして山が見えてきました。今のわたしは、両手を大きく広げて天を仰ぐフリをして、それでもなお充分なエネルギーが得られるのです。
ヨウナコウサギウグイスは、2001年より国内外にて活躍する現代美術アーティスト。彼は「マンガモーメント」と称し、日常に潜むマンガ的瞬間を切り取ります。そして、それを「俳句的に紡ぐ」という行為によって彼の作品は完成されます。
日常の中の一瞬にフォーカスした彼の世界は、めまぐるしく生きる現代の私たちに、「今」という瞬間を見つめさせ、俳句を詠むに類する心を提示してくれるのではないでしょうか。また同時に、その非日常な破片の集合体は、私たちに流れる時間、日々の連続の中にいる自己の存在を再認識させてくれることでしょう。
俳句的手段で、マンガ的瞬間を紡ぎ続けるヨウナコウサギウグイスの世界を是非ご高覧下さい。
■レセプションイベント
8月4日(土)噺家 立川志らべ 寄席
Open 18:00-/Start 18:30 当日2000円(1drink付)
■イベント
8月19日(日)津軽三味線 伊藤圭祐 × ウッドベース 桐沢輝
Open 18:00-/Start 18:30 当日1500円(1drink付)