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松尾栄太郎 個展「remain – 残存 -」part 2

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この度、gallery COEXIST-TOKYOでは、一昨年に当ギャラリーで個展を開き、たいへんご好評いただいた松尾栄太郎(まつお・えいたろう)の2回目となる個展を開催する運びとなりました。

松尾栄太郎は、長崎県生まれ。京都の美術大学で彫刻を学んでいましたが中退し、版画家・井田照一のアシスタントを経て作家として活動を開始します。以来、主な素材として紙を使用しながら版画技法を応用した多様な表現を生み出しています。

本展では、前回の焼いた紙を使用したシリーズからさらなる展開を見せる新作を展示販売いたします。皆様にご高覧いただけますと幸いです。

 

◆ ◆ ◆

 

人は、見えるものから見えない事を想像します。

人として、この世に誕生してから、全ての見えるものに対し、人それぞれの膨大な経験と情報の記憶の中で、状況判断をすることは、死に至るまで常に繰り返し行われています。

私の中で、状況を判断するというのは、「正しい」とか「誤り」などと言うような判断の事ではありません。

「判断できない」ということも、「できない」という判断方法の1つで、夢の中で考えている自分も状況判断している場所の1つです。偶然という出来事も、この作業を繰り返すことからこそ生まれるのではないかと考えています。

ここ数年間、作り続けているHAZAMAシリーズは、「見えなくなるもの」と「見えるもの」の狭間を生きている自分の今の時間に見立てる行為として確認することから始まりました。

今回の展覧会では、「破る」「燃やす」「隠す」「切る」「剥がす」の5つの行為を用いて作品を制作しています。

この5つ行為に共通していることは、「無くす」という意味合いを持ち合せています。使用する素材の紙に対し、この「無くす」行為を、どこかで残す状況判断を私が行うことで「残存」として存在させることは、私が今、判断を行いながら生きているという事実を時間として確認する行為と生きているという、この世に存在する私の単純な表現なのです。

松尾 栄太郎

「across」2015 焼いた紙、辞書、顔料、コラージュ 40×38cm

 

「across」2015 焼いた紙、辞書、顔料、コラージュ 40×38cm