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構想計画所 「疑存島 -他者なき世界の地図作成法-」

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gallery COEXIST-TOKYO 『疑存島ー他者なき世界の地図作成法ー』構想計画所 インスタレーションビュー

撮影:神宮巨樹(スライドショー1:35)>>構想計画所_疑存島_

勝俣涼氏による展覧会レビューはこちら

 

gallery COEXIST-TOKYOでは、2014年3月の企画展として構想計画所(コウソウケイカクショ)による「疑存島—他者なき世界の地図作成法—」を開催することとなりました。構想計画所は、2009 年より始動した、前野智彦が所長を務めるゆるやかな活動体です。構成員は活動内容により異なり、今回の展示は大塩紗永・小林耕二郎・酒井一有・前野智彦・三田健志で構成されています。

「ゆるやかな活動体」とあるとおり、構想計画所は“イズム”や傾向のもとに集まった団体ではありません。彼/彼女らは、これまでの活動履歴が示すように、「複数人で作り出す一つの纏まり」を美術のフィールドから提示することで、ゆるやかに繋がるフォーマットを形成してきました。

私たちは日頃、整合性や一貫性を見出すことで物事を理解しようとしますが、すべての出来事が複雑に絡み合い、繋がっていくこの世界では、視点が散漫になり、焦点を定めることの困難さを感じずにはいられません。この困難を前提に出発した彼らがこれまで作り出してきた、整合性や一貫性に回収されない別様の在り方を示す「纏まり」。それは時にその存在すら不明な人物であり、人造湖という場所であり、更新という出来事であり、同時に美術作品でありました。それらはいずれも「いまここにあるもの」を越えようとして抱く信念や欲望によって駆動する「現在」と「未来」の狭間を提示しています。それは「現実」と「虚構」の狭間と言い換えることもできるでしょう。

美学者の寺尾勇は、「虚構」を「不条理な意識の追跡」と言います。一本の線を引く時、完璧な線を描くことはできない。線は不在が次の線を招くことによって生まれる。「線の美しさは、不在による空虚な虚構によって描き出され」る、と。(※1)

構想計画所が作り出す世界には、この「虚構」によって生まれる独自の美しさがあります。ある人物の存在を証明しようとすればする程その存在は空虚なものとなり、むしろその不在を強調してしまうように「在ること」と「無いこと」は未決定のまま永遠を漂うのです。

本展で彼らは、他者との繋がりを強いられている今日の状況のなかで、あえて他者と隔絶した人物、あるいは他者と隔絶した世界を思い描くことを試みます。無人島という他者がいない世界を夢想する一人の人物と、彼の棲まう世界。そして、これらに応答した複数の人物によって生み出された複数の成果。会場には、構想計画所によって「再制作」されたこれらオリジナル不在の成果物が、大型の構築物を中心として、空間を埋め尽くすかたちで「再構成」されます。

彼らは「再制作」というフォーマットで展開するこの美術展を通して、他者との繋がりが必然となったこの世界から、他者と繋がることを通して立ち現れる「誰の」と名指すことのできない「何ものか」の生成プロセスを提示します。

海図上に記載されているものの、実在の確認されていない島のことを、海図用語では「疑存島」(※2)といい、その大部分は人の想像力や勘違いの産物として生み出されたものと考えられています。タイトルの「疑存島—他者なき世界の地図作成法—」は、他者なき世界という立証不可能な世界の地図を作成する行為と、私たちの棲まうこの世界に「疑存島」を書き加える手続きを示しています。

本展では大型の構築物の展示のほか、展覧会に合わせて制作した書籍『疑礁—他者なき世界の地図作成法—』を出版。また、哲学者・國分功一郎氏と脳研究者・荒牧勇氏をゲストに招いてのトークイベントを行います。ぜひ多くの方にご覧いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

(※1)寺尾勇 「美の論理:虚と実のあいだ」 創元社 1971年

(※2)長谷川亮一 「地図から消えた島々」より 吉川弘文館 2011年

「EVENT1」

2014.3/21 金曜/祝日 17:00から

〈哲学 – 無人島=超越論的経験論にとっての原初の光景〉ゲスト:哲学者 國分功一郎 高崎経済大学 経済学部

准教授

「EVENT2」

2014.3/30日曜日 17:00から

〈脳科学 -主体的な脳- 〉ゲスト:脳研究者 荒牧勇 中京大学 スポーツ科学部 スポーツ健康科学科 准教授

※参加費各日 ¥500(1drink 付 ) 席数:30

※受付申し込みは、開始 30 分前より、先着順。 満席の際は、立見になる場合がございます。

「構想計画所」

’09 年より始動した、前野智彦が所長を務める、ゆるやかな活動体。

<活動履歴>

2013  「Impact 8 – International Printmaking Conference」(Duncan of Jordanstone College of Art & Design /イギリス) 構成員:大塩紗永・小林耕二郎・酒井一有・前野智彦・三田健志

2013  「秘密の部屋」 (ヘルシービル旧外国人労働者シェアハウス /東京 )構成員:酒井一有・前野智彦・三田健志

2013  「水源地の芸術 Direct Access Method」(神奈川県立相模湖 交流センター/神奈川) 構成員:加藤慶・小林耕二郎・酒井一有・ 庄司朝美・神宮巨樹・鷹野健・tani×tanaka( 田中智美・谷美桜里 )・ 久村卓・前野智彦・三田健志 ゲスト:橋本公一

2012  「版の時間 – Age of Prints」 (女子美アートミュージアム/ 神奈川) 構成員:酒井一有・前野智彦・三田健志

2012  「風 – 景 – 観 見逃した世界・ここにある世界」 (アートラボはしもと/神奈川) 構成員:小林耕二郎・前野智彦

2010  「更新に憑く―可塑的な無人島―」(アーツ千代田 3331 AKIBATAMABI 21 /東京) 構成員:小林耕二郎・酒井一有・ 神宮巨樹・庄司朝美・鷹野健・久村卓・田中智美・谷美桜里・ 前野智彦・三田健志・村田峰紀

2010  展覧会関連企画シンポジウム「可塑的な無人島」 ゲスト:國分功一郎・千葉雅也(司会 前野智彦)

2009 「鼠の口笛と、猿の咳」 ( 相模湖所長アトリエ/神奈川 ) 構成員:前野智彦・三田健志