レティシア・シュレッサー=ガムラン(Laetitia Schlesser-Gamelin)はフランスに生まれ、パリを拠点に活動しているアーティストです。 彼女の作品を目の前にした時私たちは、その色彩や線の中に、地球に初めて誕生した生命の躍動を感じずにはいられません。高度に発達した複雑な情報社会の中で、彼女の作品の持つプリミティヴな単純さと明快さは、多くのことを語りかけてきます。
彼女はカリグラフィーの影響を受け、空間とそこに置かれる色の関係性に興味を持ち、追求していく過程の中で純粋抽象表現への第一歩を踏み出します。2003年の作品“Stripes”ではアクリル、カラー顔料、インクと水を混ぜ合わせたものを用い、白いキャンバスの上に時空を超えた広がりを感じさせる色彩と形象を描いています。2009年からは透明性のある樹脂を新しい素材として使用。樹脂の持つ流体的な質感、表面を覆う滑らかな光と動きのある形態が無限の階乗を見せる作品は、悠久の落ち着きと、溌剌とした生命体の輝きを同時に感じさせます。 彼女の制作コンセプトは、律動、均衡、混沌、音楽を抽象形態として可視化することであり、「見えないもの」と「見えるもの」の間を行き来する視覚の持つ可能性を表現することに挑み続けています。